2010-04-11

漫画: 久米田夏緒, ボクラノキセキ 1 & 2

ver.1.0 2010-04-11
ver.2.0 2010-04-12 (全体的に文章を書き直し。)
ver.3.0 2010-04-12 (More以降の文章を書き直し。)
ver.4.0 2010-04-12 (「作者の古いコミックス」を追加。)
ver.5.0 2010-04-13 (ミスを修正し、全体的に文章を書き直し。)
ver.6.0 2010-04-17 (「ボクラノキセキ 2 描き下ろしペーパー」の画像を4枚追加。)





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書店に行った時に表紙で目が留まって、1/4ほど立ち読みできるようになっていたのでざっと読み、気に入ったので買いました。カバーのイラストと中身の絵は同一の品質です。絵はそこそこうまくて話がとても面白いので興味があるならお勧めします。
一迅社のZERO-SAM COMICSを置いているのは漫画を多く扱っている大型書店だけだと思います。探し回らずにamazonや楽天ブックスなどで買うのがいいかも知れません。
カバーをめくると制服が描きたかったことが書いてあり制服の女の子の絵が・・・。作者は女性でした。(笑)


出版社シリーズ名: ZERO-SAM COMICS
書籍名: ボクラノキセキ
作者名: 久米田夏緒
ジャンル: 現代学園モノ
出版社: 一迅社
第1巻初版発行日: 2009年3月5日
価格: 552円+税
既刊: 第2巻(2010年2月5日)
備考: カバーを外すと本体の表と裏に漫画があります。

舞台は現代の日本。第1巻の第1話にあたる部分が中学生編で、その後は高校生編。
中学生の少年の皆見晴澄(みなみ はるすみ)(表紙の右)は幼い頃から自分はどこか外国のお姫様の生まれ変わりであると思っていて、遠い昔、突然起こった戦争で無念のうちに死んだ王女ベロニカ(表紙の左)の視点での夢を見る。とは言っても皆見は女々しい男では無く、中身も外見も男。皆見晴澄という人格を持っており、もちろん興味があるのは女性だけ。

うまく説明するのが難しいのですが、俺の書いたあらすじだけ読むといわゆる「邪鬼眼」系の漫画っぽいですが、この漫画は「邪鬼眼」系の漫画ではありませんし、作者は「邪鬼眼」を知っています。





くめた日記
コミックスに収録されていないイラストがあります。欲しい人がいるかどうかわかりませんが、サイン本が置いてある書店のことも書いてあります。


この漫画の雰囲気
・漫画の全体的な雰囲気は暗くは無い。脱力するような場面もいくつかある。
・王女ベロニカは賢く、性格は大雑把だが心が優しい。わがままさは皆無。王族としては変わり者で、護衛や騎士たちからは心の底から敬愛されていた。皆見とは性格や人格が異なる。
・おそらく中学生編は短期連載で一応お話を終わらせたのですが、人気があったのでしばらく後に高校生編の連載が再開したのでしょう。中学生編は短いので遠い昔の王女ベロニカの情景に割くコマ数が少ないですが、高校生編はコマでは無くページ数単位で割かれています。


ネタバレと言うほどでも無い注意点など
・作者は男性を描き分けるのが得意だが、女性を描き分けるのが苦手である。
外見が似ている二人の少女が出てきて混乱してしまう。
友達の上岡は中学生編では薄い髪色で髪の長さは肩のあたりまで。上岡は中学生編と中学時代の回想シーンでは髪が長く、高校生編では髪が短い。中学と高校ともにバスケ部員。上岡は元気でよく喋るが喋ったことをあまり覚えておらず、やや垂れ目で瞳がやや小さく描かれることが多い。
高校生編で出てくる皆見が好きになった高尾春湖(たかお はるこ)は同じく薄い髪色で髪の長さは肩のあたりまで。まぎらわしいことに体育の授業か何かでバスケの練習をしている。高尾春湖は髪の長さが肩のあたりまでで、物静かであまり喋らず大人しい印象。目は丸く描かれ瞳は大きい。
・高校生編で出てくる、肩より長い濃い髪色の少女は1人しかいないので広木悠(ひろき ゆう)は判別しやすい。
(皆見と上岡が喋っているところに広木悠と高尾春湖が同時に登場し、広木悠が皆見に話しかけると上岡はバスケ部の朝練に行くため退場する。高校生編では上岡は脇役に格下げされたのでしばらく出てこない。)
・少年の主要な登場人物たちは一部を除いて外見や性格が特徴的で名前も覚えやすいので解説しなくても判別しやすい。

・高校生編は登場人物がたくさん増え謎解きの要素がある。軽く読み流してしまいがちだが、どのシーンに誰がいて、何をして、何を喋ったかに注目する。
・読者は各登場人物たちの視点での情報を繋ぎ合わせることができるが、登場人物たちにはそれぞれ知らない情報がある。
・この漫画の各話はその場しのぎの思いつきで描かれていないので、第2巻を読み終えたら第1巻を最初から読み返すことになるでしょう。




第1巻の中学生編のネタバレを含むあらすじ
皆見は小学校の時に、人は死んだら生まれ変わるものだと思っていたので、それを話してみんなに妄想している変な奴だと思われる。
教室で中世ヨーロッパの調べ物をしていた皆見とちょっと話した同じクラスの少女の上岡(姓はあるが名前の設定は無し)は、皆見の小学校の同級生たちに皆見はキモイから関わらない方がいいと言われる。しかし上岡は妄想と馬鹿にしたり気持ち悪がらずにそういうのはロマンがあって好きと皆見に言い、友達がいなかった皆見の初めての友達になる。

皆見と上岡は学校から一緒に帰り、その時の前世の証明という話での上岡の言葉「魔法とか?」によって、皆見は王女ベロニカが幼い頃に修道院の先生に魔法の講義を受けている夢を見る。魔法はドラクエなどのゲーム呪文では無くて、体の一部、歯や爪や唾液や血液や髪を触媒として必要し、精霊に願い供物として捧げる。幼い王女ベロニカは魔法を「戦争の武器」で「人が死ぬ力」だという認識をしている。触媒は体から離れて半日以上経つと効力が弱くなる。

皆見は男子トイレで上級生たちのいじめに遭う。皆見は弱い男では無く腕力で何とか出来そうではあったが、お姫様の生まれ変わりだという話を聞いていた上級生たちに妄想だと馬鹿にされ逆上し、上級生の髪を抜き、魔法を使ってみようとする。しかしもし本当に魔法が発動するならば抜きたての髪では相手を殺してしまうことになる。今は21世紀で皆見晴澄として生きていかなければならないと考える。ついに上級生はナイフを出し、皆見はシャツのボタンに絡まっていた上岡の髪を使って目くらまし程度の魔法を使うことに成功する。皆見は魔法が上級生たちの妄想ということにしてしまう。(魔法を使って不良に立ち向かうというような「邪鬼眼」系の漫画の痛い流れにはならない。)




作者の古いコミックス
既刊はこれだけです。書店で売っていなかったのでamazonで買いましたが・・・。



・「NEWS PARADE」
初単行本。短編集。おおまかに言うと幽霊の話とか大学や高校の学園恋愛モノで少女漫画っぽい。絵柄にかなりクセがあり現在とはかなり違う。絵柄的に読むのがつらいが読むとそれなりに面白い。しかし買う前に可能なら立ち読みを。



・「携帯寓話」
カバーの絵柄だけは「ボクラノキセキ」第1巻とほぼ同じ。ボクラノキセキの高尾春湖に見える。中身の絵柄は「ボクラノキセキ」よりほんのちょっと前の感じ。携帯電話をモチーフとした恋愛モノで少女漫画っぽい。。オムニバスで全6話。高校生くらいの年齢の読者なら共感できるかも?恋愛は当事者以外にとってはどうでもいいことですし、正直この感覚がもうわかりません。(笑) 読むとそれなりに面白いが雑誌の掲載では読まずに飛ばされちゃうんだろうなぁ。掲載誌が少女漫画雑誌じゃなくてCOMIC ZERO-SAMだし。


ボクラノキセキ 2 描き下ろしペーパー
書店に置いてあるフリーペーパーです。
激しくネタバレしているので、まだ1巻を読み終わっていない人は見ないでください。
作者はもっと気をつけた方がいいと思う。まだ1巻を買っていない人がいるだろうし。




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