出版社シリーズ名: ハヤカワ文庫JA
書籍名: アリスへの決別
作者名: 山本 弘
ジャンル: 風刺SF
出版社: 株式会社 早川書房
初版発行日: 2010年8月15日
価格: 740円+税
表紙絵と内容は真逆です。内容はSF風刺小説の短編集です。一編一編が短いのに読み応えがあってなかなか面白かったです。雰囲気はほんのちょっと星 新一に似ています。古くからのSFファンに勧めます。
俺は山本 弘のことはグループSNEなどかなり昔から知っており「ソード・ワールドRPGリプレイ第1部」と「ソード・ワールドRPGリプレイ第2部」は持っていますが、小説を買ったのはこれが初めてです。
裏表紙のあらすじ
少女アリス・リデルの生まれたま
まの姿を撮影していたルイス・キ
ャロルは、その合間に不思議な未
来の話をはじめる……暗黒の検閲
社会を描く表題作をはじめ、低I
Q化スパイラルが進行する日本社
会の暴走を描く「リトルガールふ
たたび」、夢と現実の中間にある
“亜夢界”を舞台に、人間と登場人
物との幸福な共存を力強く謳う中
篇「夢幻潜航艇」など、SF的想
像力で社会通念やカルト思想の妥
当性を問い直す傑作中短編7本。
アリスへの決別
児童ポルノ法問題がらみ（あとがきの解説より）の短編SF小説です。
リトルガールふたたび
あとがきの解説によるとブライアン・W・オールディスの短編「リトル・ボーイ再び」のオマージュと書いてありますが、某有名動画サイトへの「一部の」くだらない内容の投稿と某巨大掲示板の「一部」の風潮への風刺と感じました。
七歩跳んだ男
月基地が舞台の密室トリックのようなSF推理短編小説です。結末は意外でした。
地獄はここに
この短編はSFではなく幻想でもありません。現代が舞台のホラーですね。霊能力者を騙る詐欺師の女性が主人公です。
地球から来た男
移民のための巨大な小惑星船が舞台で、その宇宙船への密航者の短編です。短編に使うにはもったいない面白い設定が多いです。
オルダーセンの世界
「クラッシュ」以後に隔絶された地域での治安維持隊の青年が主人公の短編。青年は『外の世界から来た』と言う女性を見張る役を命ぜられる。
夢幻潜航艇
上記の短編「オルダーセンの世界」で登場した女性シーフロスが主人公。夢幻と呼ぶにふさわしい設定と内容のめずらしいストーリーです。
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