2006-10-18

漫画: 手塚治虫, 七色いんこ

ver.1.0 2006-10-18


コミックス・シリーズ名: 秋田文庫(版)
商品名: 七色いんこ
作者: 手塚治虫
ジャンル: 演劇 / 怪盗
秋田文庫版 巻数: 全5巻
出版社: 株式会社 秋田書店
秋田文庫版 第一巻初版発行日: 平成9年3月31日 (連載は1981年~1982年)
価格: 562円+税

この漫画はサイズが3種類あります。最初に発売された「少年チャンピオンコミックス版」、表紙が額縁風のデザインのやや大きいサイズの「手塚治虫全集版」、そしてこの文庫本サイズの「秋田文庫版」です。

主人公の「七色いんこ」とは芸名で、劇場で上演される演劇の代役を専門に引き受ける男の名前である。彼は正規の役者ではなくまったくの素人だが、彼が代役を引き受けた演劇は観客に熱狂的に受けるのだ。彼は出演料を受け取らないが、代役を引き受けるときには依頼人の演出家や興行主などに一つの条件を出す。それは上演の期間中に劇場でたとえ何が起こっても一切見て見ぬふりをするというものだった。「七色いんこ」のもう一つの顔は泥棒なのだ。


「七色いんこ」は劇場の演劇を題材にしためずらしい少年漫画です。少女漫画では「ガラスの仮面」が有名ですが私は読んだことありません。

基本的に一話完結の話ばかりです。第1話はシェークスピアのハムレットを演ずる話です。私が中学生の頃でしょうか?影響されてシェークスピアは多分ほぼ全部読みましたよ。内容はほぼ全て忘れてしまいましたが。(笑 西洋の演劇だけでなく日本の修善寺物語なども出てきます。手塚治虫は演劇にも造詣が深かったんですね。

手塚治虫の漫画は久しぶりに読みましたが、ストーリーの展開やコマ割りが漫画の神様と言われるだけのものがあります。よく言われるように映画的と言うか。秋田文庫版の2巻の最初の話「ピーター・パン」で千里万里子(七色いんこをマークしている刑事)が劇団のチーフに殺陣の稽古を受けていて、稽古の剣の攻撃と受けの場面から実際に演劇をしている場面に移行するところは「さすが手塚治虫!」と思いました。
「七色いんこ」は知名度が低いですが買っても損はないとても面白い作品です。試しに1巻だけ読んでみることをお勧めします。手塚治虫の漫画なので演劇に興味がなくても面白いですよ。

私は昔「手塚治虫全集版」の「七色いんこ」を全巻持っていました。これはもう手元にありません。多分処分されたのでしょう。記憶があいまいなのですが、「手塚治虫全集版」には各話の最後にその回で出てきた演劇の白黒の写真が載っており、その演劇についての解説が出ていました。

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