2011-11-09

小説: 田代裕彦, 修羅場な俺と乙女禁猟区

ver.1.0 2011-11-09

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出版社シリーズ名: ファミ通文庫
書籍名: 修羅場な俺と乙女禁猟区
作者名: 田代裕彦
ジャンル: 推理モノ/ラブコメ?
出版社: 株式会社エンターブレイン
初版発行日: 2011年11月10日
価格: 600円+税




あらすじと感想
表紙のメイド服の女の子に惹かれて買ったのですが、面白かったです。表紙絵とあらすじと設定だけでは萌えラノベのようですが、そうでもありません。
本当なら単行本数冊分の内容を大幅にカットして普通の厚さの一冊にしてあります。とりあえず完結していますが、売れれば続編が書かれるかも知れません。

高校二年生の少年である遠々原(をんどうばら)節(せつ)が主人公。彼は五年前に大財閥の会長である十慈朗の養子となった。十慈朗は父ではあるが老人である。実子たちがいる十慈朗が養子を探していたのはどうやら莫大な財産を狙っている実子たちなどを困らせるためらしい。
ある日の夕食の時に突然、父の十慈朗が主人公の節(せつ)に婚約者候補の美少女を五人も紹介し、全員初対面であるのに気に入った娘を一人選べと言う。しかしこの娘たちはお前のことを殺したいほど憎んでいると言う。憎んでいる理由は十慈朗や遠々原(をんどうばら)グループがしたことが原因である。ようするに節(せつ)が憎まれる理由は全く無い。婚約者として選ばれた娘は十慈朗と遠々原(をんどうばら)グループをどのようにしてもいいという約束をされている。ところが例外がおり全員初対面であるのに節(せつ)のことを愛している娘が一人いると言う。その娘を選んで婚約者とすれば節(せつ)が十慈朗に勝利するという大変迷惑なゲームである。

つまり節(せつ)の判断によっては遠々原(をんどうばら)グループばかりでなく節(せつ)自身も破滅してしまうということです。この小説は一人称視点で進行するため主人公以外の登場人物の本心は主人公と読者にはわかりません。主人公と読者は憎んでいる4人の少女たちは誰なのか、愛している少女は誰なのかを推理しながら読み進めていきます。
表紙絵のアップの女の子は節(せつ)専属の住み込みの家事使用人(メイド)であり同じ児童擁護施設で兄弟同然に育った幼馴染の睦月(むつき)です。睦月(むつき)は婚約者候補ではありません。美少女はたくさん出てきますが五人のうち四人は嘘をついて騙そうとしているのでイラストレーターが睦月(むつき)を表紙絵でアップにしたのはやっぱりという感じです(笑)。おそらく睦月(むつき)が一番美少女なのだろうと勝手に考えていますが、睦月(むつき)の口調は明治/大正の男子学生みたいです。シャーロック・ホームズみたいでもあります。節(せつ)は睦月(むつき)にからかわれたり罵倒されたりしながら考えをまとめていきます。睦月(むつき)は節(せつ)の唯一の味方で本心をはっきりと言うタイプですが、実際のところどうなのかは垣間見えるだけで他の登場人物同様にわかりません。
お話のエンディングは綺麗にまとまっていますが解決していない謎があるので、ぜひ続編を書いて欲しいですね。

裏表紙のあらすじ
 (このあらすじは内容と同一です。「破滅後宮/デッド・エンド・ハーレム」は企画段階での小説の名称です。例によって編集担当によって変更させられたのでしょう。)
「お前の婚約者候補だ!」世界
に名を成す大財閥の長にして父
の十慈朗から、五人の美少女を
前に突然そう告げられた遠々原(をんどうばら)
節(せつ)は、その次のセリフに戦慄し
た。「この娘たちは、お前のこ
とを殺したいほど憎んでいる」
クソ親父はさらに続ける、「だ
が、この中にお前を愛する娘も
一人いる」その娘を選べなけれ
ば待つのは破滅・・・・・・しかし、手
段も所も構わずに繰り広げられる
彼女達の求愛に、理性を保つだ
けで精一杯!?魅惑のデッド・
エンド・ハーレム開演!

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