2006-01-09

SF小説: アイザック・アシモフ, 鋼鉄都市

2005-11-13 わたしはロボット と同じ世界観で展開される、正式には続編ではありませんが、いわば続編と言っていいほどのSF小説です。


(現在は多分この最初の表紙絵ではありません。)

題名: 鋼鉄都市
著者: アイザック・アシモフ (Isaac Asimov)
オリジナル タイトル: The Caves of Steel
オリジナル発表年月日: 1953年
出版社: ハヤカワ文庫SF
番号: SF336
初版発行年月日: 昭和五十四年三月三十一日
価格: 420円 (昭和五十四年の価格)
表紙イラスト: 野中 昇


「カバー裏 あらすじ」
突然、警視総監に呼び出されたニューヨー
ク・シティの刑事ベイリは、宇宙人抹殺と
いう前代未聞の事件の担当となったことを
知らされた。しかも指定されたパートナー
はロボット、R ・ ダニールであった。 さっ
そく真相究明にのりだしたベイリだが、そ
の前にはさまざまな障害が立ちふさがる。
巨大な鋼鉄都市と化したニューヨークには
かつての地球移民の子孫であり支配者であ
る宇宙人たちへの反感、人間から職を奪っ
たロボットへの憎悪が渦まいていたのだ!
・・・・・・ロボット ・ テーマの第一人者アシモフ
が、未来都市を舞台に <ロボット三原則>
の盲点に挑んだSFミステリの金字塔!




すまんです。記憶で感想を書こうと思ったのですが、ニ十年以上も読み返していないので読みたくなりました。読み終わったらこの投稿に付け足します。


[追加]2006-01-16
最初に。この「鋼鉄都市」の再販はあまり見かけたことがありません。新刊が欲しい人は本屋に注文した方が早いでしょう。「中古でいいや」という人は、表紙無しで10円、表紙ありで50~100円程度で手に入ると思います。

昨晩読み終わりました。犯人は誰か覚えていたのですが、経過を全部すっかり忘れていたので楽しく読めました。
ネタバレってほどでも無いのですが「カバー裏 あらすじ」にある「宇宙人」とは、地球の人口が絶望的なほど増大してドーム状の都市が建設される前に、太陽系外の別の惑星に移民した地球人です。人間の姿をしていない異星人に地球が制圧されている訳ではありません。

日本では少年が主人公であることが多いですが、海外の特にSF小説は中年男性が主人公であることが多いです。日本人の認識では中年の年齢は「もう結構な年」と思われています。その由来は江戸時代以前には「人生五十年」と言われていたからだと個人的に思ってます。ところが欧米では45歳であっても「まだまだ若い」という認識があります。面白いですね。
この小説とは関係の無い話なのですが、欧米の小説などのヒロインは必ず成人の女性なのです。少女がヒロインであるのは日本だけです。

「鋼鉄都市」に話を戻しますが、この小説はSF小説ですが、ミステリ/推理小説でもあります。これを両立されるのはとても難しいことなのです。なぜかと言うと、SF小説はたいてい未来世界が舞台なのですが、現代とは違う科学技術と文化があることに説明の大半を割かなければなりません。多分SF小説を読みなれていない人は、この描写がくどく感じるかも知れません。SFファンにとってはここが面白いところなのですが。なので、さらに推理の要素を入れるのは技術的に非常に難しいのです。その点から見ると、この小説は殺人事件が起こって主人公の決して凄腕では無い刑事ベイリとパートナーのR・ダニールが事件を調べていくうちに自然と未来世界の仕組みがわかってきます。誰が犯人かという謎はそう難しくはありませんので、わかる人は犯人が誰であるか途中でわかってしまうでしょう。ただしどうして殺人をしてしまったかという本当の理由は最後まで読まないとわからないかも知れません。
「鋼鉄都市」を読み終わった人は、きっと刑事ベイリとR・ダニールの話をもっと読みたくなるでしょう。そのうち紹介しますが続編「はだかの太陽」という小説があります。

私が紹介する古いSF小説は、どれも私が中学生の頃に読んだものなので、若い方は読んでみたらいかがでしょうか?ネタはたくさんの小説や映画などに転用されてしまって使い古されてしまっていますが、面白いですよ。


余談ですが、ゆうきまさみのマンガ「究極超人あ~る」の主人公R・田中一郎のRの元ネタは、この小説に出てくるR・ダニールのR(ロボット)です。





Commented by usedpeople at 2006-01-10 22:59
コメント書き込みありがとうございました(^^)
アイザック・アシモフ・・・トリビアの彼ですね。いつか読んでみたいと思っています。

Commented by peregrine_falcon at 2006-01-10 23:08
書き込みどうもありがとうございます。
ご存知かも知れませんが、映画関係は左のエキサイトブログ・リンクにある「えろぶろ at Excite」がとても面白いですよ。

Commented by Dragoon X117 at 2006-01-11 02:08
鋼鉄都市、懐かしいです。謎解きしてみればたいしたことはなかったのですが、キャラクターがいいんですよ。特にR・ダニール。
続編の裸の太陽も好きな一冊です。

Commented by peregrine_falcon at 2006-01-11 11:28
書き込みどうもありがとうございます。
迷惑な宣伝書き込みがありまして、現在このブログはLiveDoorブログとAmebaブログからトラックバック出来ない設定になっております。ごめんなさい。もしトラックバックの希望があれば一時解除します。

さて、昨晩1/10ほど読み返しましたが、鋼鉄都市は面白いですね。ほとんど内容を忘れてしまったので読み返した部分だけでは何とも言えないのですが、R・ダニールはMr.スポックみたいだと思いました。
続編「裸の太陽」は同時に紹介する予定でしたが、「わたしはロボット」を読んでみるという人がいたので、一冊ずつ紹介することにしました。

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