ver.2.0 2011-12-15 (「備考」を追加。)
シリーズ名: ミストボーン
書籍名: ミストボーン-霧の落とし子-
原題: MISTBORN : THE FINAL EMPIRE
著者: ブライドン・サンダースン / Brandon Sanderson
翻訳者: 金子 司
ジャンル: エピック・ファンタシー
出版社: ハヤカワ文庫
初版発行日: 2009年1月20日
価格: 820円+税
既刊: 第1巻、第2巻(全3巻で完結)
備考: 続編は「ミストスピリット」全3巻、さらにその続編は「ミストクローク」全3巻です。
裏表紙あらすじ
空から火山灰が舞い、老いた太陽
が赤く輝き、夜には霧に覆われる
〈終の帝国〉。神のごとき支配王
が千年のあいだ総べるこの国の底
辺には、スカーとよばれる卑しい
民が存在した。盗賊団の少女ヴィ
ンは、とるにたらぬスカーとして
ひっそりと生きてきた。ある日、腕
に凄惨な傷をもつ男に見いだされ
るまでは━━金属を体内で燃やし、
不思議な能力を発現させる盗賊た
ちの革命を描き、全米でベストセ
ラーとなった傑作、ついに開幕!
ネタバレと言うほどでも無いネタバレを含んだ感想
俺は目新しい魔法のシステムのアイデアを用いたファンタシー小説を見つけると、よほど面白くなさそうでない限り買うことにしています。
このシリーズは合金術というシステムの魔法が出てきます。金属を体内で燃焼させると、鉄は付近の金属を引き寄せる、錫は五感を増幅させる、真鍮は他者の感情を変え自分からそうしたくなるように仕向ける、といったように魔法を発動させることができます。火の弾を撃つといったような魔法は出てきません。
日中は常に灰が降り、夜は常に霧が出て星は決して見えず、木々は全て茶色の陰鬱な世界が舞台です。我々の住む地球ではないようです。
主人公は普通のファンタシーでは大魔法使いにあたる「霧の落とし子」と呼ばれる合金術使いであり盗賊の首領のケルシャーという男と、下級民スカーの少女ヴィンの二人です。物語はケルシャーの視点とヴィンの視点とで交互に進みます。ケルシャーは合金術に目覚める前に不死の支配王に妻を殺されており復讐を誓っています。二人の関係は教師と生徒です。
表紙絵は主人公の一人のヴィンです。ヴィンはスカーと呼ばれる下級民です。スカーはその土地の領主の貴族の気分によって殴られたり殺されたりする農奴のような存在で、日ごろからまともな食べ物を食べられらずボロ服を着ていて、顔は常に灰で汚れたままで風呂には決して入れないようです。ヴィンは兄から「誰だっていつかはお前を裏切るんだ」と教えられ、そう教えた兄に裏切られ、女の子に見えない格好と態度でなるべく目立たないように物陰に隠れて生きてきて、喋る時は小さな声か囁き声で話します。それなので最初読み始めた時は表紙絵のヴィンとストーリーのヴィンとはイメージが違っていました。この表紙絵の堂々とした清潔感のある美少女のヴィンは第1巻の終わりあたりのヴィンの姿です。
ケルシャーとヴィン以外にも何人か個性のある脇役が出てきます。1巻の終わりあたりから登場するセイズドがお気に入りです。あまり書くとネタバレになって楽しみを損なうので書かずにおきます。
第1巻が発売されて買った後しばらく積んだままでいて、すぐに第2巻が発売されたので第1巻を読んでみました。内容はブログに紹介できるほど面白かったです。物語の展開はユーモアがあって暗くはありません。いま第2巻の最初の方を読んでいます。面白いです。
第2巻 ミストボーン-赤き血の太陽-
表紙絵はなかなか素敵です。第2巻の表紙絵は、左がケルシャー、右はヴィンです。
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